直腸がん
直腸がんとは
2m ほどの長さがある大腸の中でも、肛門に近い20cmほどの部分を直腸といい、ここにできるがんが直腸がんと言われます。大腸がんが増加傾向にある中、直腸 がんも増えつつあると言われています。周囲に膀胱や子宮、前立腺などさまざまな臓器に囲まれ、自律神経も集まっているため、がんの正確な把握と慎重な手術 が必要となります。
直腸がんの症状・特徴
直 腸がんの初期症状でもっとも多いのは肛門からの出血(下血)です。これはがん化してもろくなった腸が、便が通るときに出血することが原因です。痔と勘違い されやすいのですが、一定期間継続すると貧血や、それに伴うめまいや倦怠感が現れることもあります。また、がんが進行して腸の内部が狭くなると便秘と下痢 を繰り返したり、便が細くなる症状が現れます。
直腸がんの生存率
国立がん研究センターがん対策情報センターによれば、2003~2005年に直腸がんと診断された方の5年相対生存率は67.5%でした。
直腸がんの原因
動物性脂肪の摂取量増加、食物繊維の摂取量不足など、食の欧米化と結びつけて考えられることが多いのですが、実は決定的な原因は判明していません。また、大腸がんを発症する方の大半が50歳以上で、発症のピークは60代です。
決して大腸がんに限ったことではありませんが、高齢化社会を迎えた今、相対的に増えているのではないかとも言われています。
当院の直腸がんの検査
直腸がんのステージ
直腸がんの病期はがんの大きさではなく、深達度(大腸の壁にどのくらい深く入り込んでいるか)、浸潤(周囲の組織に広がっているか)、リンパ節への転移、肝臓や肺など遠隔臓器への転移によって決められます。
直腸がんの標準治療
直腸がんの治療は、病期によってどのような治療を採用するかが決まります。主に、下記のような流れで治療方針が決定されます。
① がん摘出手術
直 腸がんは基本的に、手術によってがんができた腸管とリンパ節を切除する治療法が有効とされています。直腸がんの特徴としては、直腸そのものが神経や筋肉の 集まっているところにあるため、筋肉や神経もあわせて切除する可能性があることです。術後の後遺症として、排便や排尿、性機能などに生涯が残ることがあり ます。進行度によって、神経や筋肉を温存する方法もあります。
② 抗がん剤治療
直 腸がんの場合、抗がん剤治療は再発予防のための補助治療と、根治を目指した手術が困難な進行がんの延命やQOL向上を目指して行われています。大腸がんに 有効な抗がん剤はいくつか開発されており、副作用に配慮したものもあります。それにより、日常生活を送りながら外来通院し、治療を行う患者さまもいます。
③ 放射線治療
体 外からX線を照射してがんを小さくすることを目指す治療です。直腸がんの場合は、再発防止や手術前のがんの縮小、肛門温存などを目指して行われることもあ ります。また、切除が難しいがんや転移による痛みを緩和するためにも使用されます。副作用についてもよく調べておくと良いでしょう。
④ 内視鏡治療
内 視鏡を使って病変を焼き切ったり、病変を剥ぎ取ったりすることでがんを切除する方法です。大腸の粘膜には知覚神経がないため、痛みを感じないというメリッ トがあります。病変の状態にもよりますが、内視鏡的ポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)といった手法が用い られます。
セカンドオピニオンとは?
セカンドオピニオンとは、病気について担当医以外の医師の意見を聞くことを意味する言葉です。医療業界においては一般的なことですので、担当医との関係悪化を恐れる必要はありません。セカンドオピニオンを聞きたい意思を示し、紹介状やデータをもらうと良いでしょう。
セカンドオピニオンを聞く際は、医師がきちんとリードしてくれるはずですが、現在の診断の内容、治療方針、その他の治療方法の3点は、納得のいくまで質問すると良いでしょう。
直腸がんの先進医療
直 腸がんは、なかなか人に言えない悩みを抱えることも多いがんです。医療は常に進化しています。標準治療とあわせて、科学的な根拠をもとに解明された「がん の原因」を根本的に解決する先進治療には、どのようなものがあるでしょうか。副作用や再発・転移などのご不安を抱える方も、ぜひご覧になってみてくださ い。患者さまがQOLを保ち、心身ともに余裕をもってがんと向き合えるよう、当院がお力になります。
標準治療にプラスする先進医療。患者さま一人ひとりの症状にあわせた
複合プランが「個別化治療」です。
がんと戦う力を 蓄える治療 |
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がんと細胞の 内側から戦う治療 |
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がんと細胞の 外側から戦う治療 |
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がん細胞を 転移させない治療 |
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