甲状腺がん
甲状腺がんとは
甲 状腺とは、のどぼとけの下あたりにある10〜20g程度の小さな臓器です。ここから分泌される甲状腺ホルモンは、体全体の新陳代謝や成長を促す役割を担っ ています。甲状腺の病気はさまざまなものがあり、バセドウ病や橋本病などが挙げられます。一方、腫瘍ができるもののうち、悪性のものを甲状腺がんと言いま す。
甲状腺がんの症状・特徴
甲状腺がんの症状にはしこり(結節)のほか、声がかすれたり、ものが飲み込みにくかったりすることもあります。痛みや違和感を感じることもありますが、通常はしこり以外に自覚症状を感じることはさほど多くないようです。
甲 状腺がんは、組織の特徴により大きく4種類に分類されます。最も多いのが乳頭がんで、ゆっくりと進行するのが特徴です。リンパ節への転移が見られる場合で も、リンパ節の郭清(切除)を行えば比較的予後が良いとされています。甲状腺がんのうち、全体の9割がこの乳頭がんです。ほか、甲状腺がんには遠隔転移し やすい濾胞(ろほう)がん、進行が速めの髄様(ずいよう)がん、高齢者に多い未分化がん、悪性リンパ腫が甲状腺にできるものなどに分けることができます。
甲状腺がんの生存率
国立がん研究センターがん対策情報センターによれば、2003~2005年に甲状腺がんと診断された方の5年相対生存率は92.2%でした。
甲状腺がんの原因
1986 年のチェルノブイリ原子力発電所事故後、周辺住民に甲状腺がんの患者が急増したことから、放射線を大量に浴びることが原因の一つとされています。また、遺 伝による影響を受けやすいがんなので、甲状腺がんを発症したことのある家族がいる場合は注意したほうが良いでしょう。
一般的な、甲状腺がんの検査
- 問診、視診・触診
- 問診では症状以外に、家族に甲状腺がんにかかった人がいないか、放射線に被曝したことがあるかなどについて聞きます。それにくわえて、甲状腺を観察したり、触ってしこりを確かめたりします。この際、首の周りにあるリンパ節も触診を行います。
- 画像診断
- 超 音波で甲状腺の大きさやしこりの性質、リンパ節へ転移などを画像にして調べるのが超音波(エコー)検査です。他の臓器にがんが広がっているか、転移してい るかなどを調べるのがCT、MRI検査です。放射性物質を服用し、専用の機器で撮影するものはシンチグラフィー検査と言います。
- 病理検査(病理診断)
- 甲状腺にしこりが見られる場合、細い注射針を刺してしこりの細胞を採取し、観察する穿刺吸引細胞診が行われます。しこりが良性なのか、悪性なのかを見極めるには非常に確度の高い方法とされています。
- 血液検査、腫瘍マーカー検査
- 基本的には病理診断や画像診断により判断される甲状腺がんですが、必要な場合は血液検査が行われます。甲状腺がんの種類によっては特定の項目が異常値を示すことがあり、甲状腺がんの診断をより詳細に行うことができます。
当院の甲状腺がんの検査
甲状腺がんのステージ
甲状腺がんはその種類や進行の程度により、治療法は大きく異なります。組織型や病期を正確に把握することが求められます。
また、未分化がんははじめからⅣ期に分類されます。
甲状腺がんの先進医療
甲 状腺がんは予後の良いがんとされていますが、それでも不安や痛みは伴うものです。標準治療とあわせて、科学的な根拠をもとに解明された「がんの原因」を根 本的に解決する先進治療には、どのようなものがあるでしょうか。副作用や再発・転移などのご不安を抱える方も、ぜひご覧になってみてください。患者さまが QOLを保ち、心身ともに余裕をもってがんと向き合えるよう、当院がお力になります。
標準治療にプラスする先進医療。
患者さま一人ひとりの症状にあわせた
複合プランが「個別化治療」です。
がんと戦う力を 蓄える治療 |
|
---|---|
がんと細胞の 内側から戦う治療 |
|
がんと細胞の 外側から戦う治療 |
|
がん細胞を 転移させない治療 |
|