食道がん
食道がんとは
食道がんは食道に発生するがんで、大きく分けて扁平上皮がんと腺がんの2種類に分けられます。扁平上皮がんは、食道の内側を覆う粘膜の表面にある粘膜上皮か ら発生するものです。一方、腺がんは食道の下部、つまり胃の近くに発生するがんです。腺がんは、欧米で増加傾向にあります。日本では現在、食道がんの 1/4程度が食道の下部に発生していますが、今後増加していくことが予測されています。
食道がんの症状・特徴
食 道がんは進行してくると、食べ物を飲み込んだときに違和感が生じることがあります。胸の奥が痛んだり、熱い食べ物がしみたり、食べ物がつかえたりする感覚 が続くようなら、食道がんを疑ってみても良いかもしれません。ほか、胸や背中が痛む、特にダイエットをしていないのに痩せてくる、タンに血が混ざる、声が かすれるなどの症状が出ることもあります。ただ、食道がんでも初期の場合は自覚症状がないことも多く、全食道がんのうち約20%程度が健康診断等や人間 ドックで発見されます。
食道がんの生存率
国立がん研究センターがん対策情報センターによれば、2003〜2005年に食道がんと診断された方の5年相対生存率は33.7%でした。
食道がんの原因
食 道がんの原因として挙げられているのは、喫煙や大量の飲酒です。熱い飲み物・食べ物を好んで食べることもリスクを高めるとされます。特に食道の粘膜上皮に できる扁平上皮がんは、この傾向が高くなります。肥満や、胃・食道逆流症(胃液や食べ物が食道に逆流する症状)の場合は、腺がんのリスクが高まります。
一般的な、食道がんの検査
- 食道造影検査(X線検査)
- バリウムを飲み、食道をX線で撮影します。がんの大きさ、場所、食道がどのくらい狭くなっているかなどの全体像を確認します。
- 内視鏡検査
- 内視鏡を食道に入れ、粘膜や病変を観察します。病変の数や位置、色調、広がり、表面に凹凸があるかどうか、といった観点からがんの進行度を確認します。がんが疑われる場所の組織を採取し、がん細胞の有無や種類を調べる病理検査で食道がんと確定診断されます。
- CT、MRI検査
- CTはX線を、MRIは磁気を使用して、治療前に転移やがんの広がりを調べる検査です。造影剤を使う場合はアレルギーの可能性がありますので、医師に相談しましょう。
- 超音波内視鏡検査
- 超音波つきの内視鏡を用いて、がんの深さやリンパ節に転移しているかどうかを調べます。
- 超音波(エコー)検査
- 食道がんの場合は腹部で肝臓や腹部リンパ節へのがんの転移を、頸部で頸部リンパ節への転移を調べます。頸部食道がんと診断された場合は、がんだけでなく気管、甲状腺、頸静脈など周辺臓器も同時に調べます。
- 腫瘍マーカー断
- 血液検査にて、食道がんができると異常値を示す項目を調べるものです。進行がんの動きは調べるためにも用います。ただし、食道がんがあっても数値に現れないことも多く、必ずしも100%発見できるわけではありません。
- PET
- 放射性ブドウ糖液を注射し、体内にどう取り込まれるかを撮影することでがん細胞を調べる検査です。他の検査で、がんの転移や再発が確定できない場合に行われることがあります。
当院の食道がんの検査
食道がんのステージ
食道がんの病期は、がんの広がり、リンパ節への転移の有無、他の臓器への転移の有無で決定され、これをTNM分類といいます。
食道がんの先進医療
食 道がんは日々の生活習慣が大きく影響するがんです。それまで親しんできた習慣が大きく損なわれる病気でもあり、QOLの低下がもたらすストレスも非常に大 きなものとなります。標準治療とあわせて、科学的な根拠をもとに解明された「がんの原因」を根本的に解決する先進治療には、どのようなものがあるでしょう か。副作用や再発・転移などのご不安を抱える方も、ぜひご覧になってみてください。患者さまがQOLを保ち、心身ともに余裕をもってがんと向き合えるよ う、当院がお力になります。
標準治療にプラスする先進医療。
患者さま一人ひとりの症状にあわせた
複合プランが「個別化治療」です。
がんと戦う力を 蓄える治療 |
|
---|---|
がんと細胞の 内側から戦う治療 |
|
がんと細胞の 外側から戦う治療 |
|
がん細胞を 転移させない治療 |
|